-第56回-
中央競馬騎手菱田裕二さん
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騎乗馬は過去のレース映像でクセや特徴を確認
市丸:引き続きデータの話になりますが、芝で18勝、ダートが47勝(10月14日現在)と、成績としてはダートを得意とされています。ご自身ではいかがですか?
菱田:自分の中では特にダートが得意だとは思っていません。ただ、ダートのほうが人気馬に多く乗せていただいている印象があります。特に1700mや1800mのダートでは、減量を生かすという意味で力のある馬に乗せていただけることも多く、結果的にそうなっているのかな、という感覚はありますね。
市丸:今年3月の重賞初騎乗以降(ファルコンS・カシノランナウェイ)、重賞には9回、そしてG1のNHKマイルCにも騎乗されました。
菱田:重賞になるとレースの雰囲気がまったく違って、そのときは楽しいのですけれど、掲示板にもまだ載れていませんから……。チャンスを下さるオーナーや調教師の先生には感謝していますし、なんとか早く結果を残したいです。
市丸:NHKマイルCに騎乗したディアセルヴィスは、美浦の高橋裕厩舎の馬でした。
菱田:最初はオーナーから「乗ってみないか」と連絡をいただいて、すごく嬉しかったですね。それまで東京競馬場では乗ったこともほとんどなかったのですが、東京のG1独特の、素晴らしい雰囲気を味わえて楽しかったです。
市丸:緊張するよりは、楽しかったほうが大きいですか。
菱田:人気にはなっていなかったこともありますけれど、そんなに緊張せず、雰囲気を楽しむことができました。
市丸:そのディアセルヴィスは初騎乗でしたが、騎乗経験のない馬、少ない馬に乗るときには、どのような準備をされますか?
▼レースぶりもJRA-VANで確認
菱田:レースで乗る馬については全部、過去のレースぶりをJRA-VANで見ています。引っかかるクセがあるのか、砂をかぶっても大丈夫か。あと、結果が良かったときと悪かったときを比較して、それぞれなにが良かったのか、悪かったのかを確認していますね。
市丸:データもレース映像も、騎乗に役立てていただいているのですね。
菱田:はい。特にレース映像はよく見ています。
市丸:競馬の当日に、特に気をつけていることはありますか?
菱田:返し馬からいいリズムで、馬と呼吸を合わせることを心がけています。そこで呼吸が合わないと、自分の場合はそのまま競馬でもずるずる行ってしまうことが多いので、キャンターの一歩目などはすごく意識しています。
市丸:牝馬などで返し馬ができないこともあると思いますが……。
菱田:そういう場合は、ゆっくりハッキング(軽めのキャンター)をしたり、逆に牡馬でぼんやりしている馬なら気合をつけていったり、考えながらやっています。あと、両方の手前をしっかりほぐしてあげることも大事にしていますね。
市丸:調整ルームではいかがですか?
菱田:入室時間がさほど早くはないので、金曜はほとんど寝るだけです。土曜はグリーンチャンネルでその日のレースリプレイを見たり、翌日の参考レースを見ていることが多いです。あとは本を読んでいるか、ですね。
市丸:グリーンチャンネルは月曜の「先週の結果分析」もご覧になりますか?
菱田:自分の勝った馬の時計はどうだったんだろう、相手関係はどうだったんだろうと、見ています。
市丸:わたしもときどき出演させていただいてまして……。
菱田:拝見しています(笑)。
市丸:ありがとうございます(笑)。