私の競馬はチョット新しい

-第34回-
中央競馬騎手 福永祐一さん


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香港では走りが変わったエイシンプレストン

市丸:それでは、よろしくお願いします。少し前のことまでさかのぼってお聞きしたいのですが、デビューされたときは「花の12期生」として話題になりました。皆さん仲がよろしいそうですね。

福永:そうですね。もうお互いいい歳になったので「べったり」ではないですけれど、みんな仲は良いです。

市丸:その96年は最多勝利新人騎手を獲得されまして、翌年は川崎のエンプレス杯(シルクフェニックス)を勝ち、そして秋にはキングヘイローで中央の重賞(東京スポーツ杯3歳S)も勝ちました。さらに、翌年の桜花賞はプリモディーネでG1初勝利と、ここまで順調に来られた印象もありましたが、その翌週に落馬事故に遭われました。

福永:返し馬での落馬だったのですが、自分の不注意で招いてしまった怪我で、自業自得のようなものでした。G1を勝ってちょっと浮かれていた自分もいましたし……。たくさんの方に迷惑もかけてしまいました。

市丸:ただ、復帰されて、自厩舎・北橋厩舎のエイシンプレストンで朝日杯を勝ちました。この馬は最初から最後まで福永さんが手綱を取られましたね。特に、香港では計3勝と強かったですが……。


福永:香港の芝が合っている馬でしたね。返し馬から「こんなに変わるのか」と思うくらい日本での感覚とは違って、香港ではいい走りをしてくれました。日本の堅い芝でも勝てるチャンスのあるG1はありましたけれど、うまく乗れなかったこともあって。

市丸:マイルCSでは2着2回でしたね。

福永:特にトウカイポイントが勝った年(02年)は、なんとかなったのではないかと今でも思います。当時の自分の技量がそこまでだったのですね。

市丸:香港では馬上インタビューも印象に残っています。

福永:英語は話せません、と言っていたのですが…。1回目は普通にインタビューがあって、2回目は「日本語でいい、スタジオで訳すから」と言われ、そして3回目はなくなりました(笑)。

市丸:香港競馬の雰囲気はいかがでしたか?

福永:華やかですね。12月はG1がいくつもあり、各国から関係者も多く集まってお祭りのような雰囲気です。ただ、冬は気候も良いのですが、クイーンエリザベス二世SCの春は、湿度も高くて暑いですし、なかなか馬にとっては過酷な状況ではあると思います。

市丸:北橋厩舎の馬では、スターリングローズでもJBCスプリント(02年)など12勝を挙げられています。

福永:強い馬でしたね。ただ、砂をかぶると良くなくて、最後までそれに慣れない馬でした。JBCを勝ったときも大外枠でしたし、内枠のときはのきなみ良くなかったと思います。