私の競馬はチョット新しい

-第34回-
中央競馬騎手 福永祐一さん


(2/6)
自信を持って挑んだアメリカンオークス

市丸:02年には牡牝の2歳G1をピースオブワールド、エイシンチャンプで勝ち、04年にはサニングデールで高松宮記念も勝たれましたが、その04年にオークスを勝ったダイワエルシエーロは、短距離馬だと思っていたファンも多いと思います。

福永:おそらく2000mまでの距離がベストな馬でしょうね。

市丸:勝てたのはオークスだから、でしょうか?

福永:はい。3歳春ですし、オークスなら、ということですね。

市丸:そして05年がすごい年で、フェブラリーSのメイショウボーラーにはじまり、ラインクラフトで桜花賞とNHKマイルC、シーザリオでオークス、そして暮れにはフサイチリシャールの朝日杯。ラインクラフトの桜花賞は、この馬を選ばれた形だったのですか?

福永:もう2歳のG1でラインクラフトに乗っていましたし、シーザリオは1月に500万を勝ったばかりだったので自然とですね。ラインクラフトはローテーションも決まっていましたから、桜花賞はラインクラフトで。その後にシーザリオでフラワーCを勝ちましたが、角居先生にもわかっていただいていたので。

市丸:桜花賞もNHKマイルCも強かったですね。

福永:桜花賞は、トライアルで直線一気の競馬で勝ったダメージがなかなか抜けず、ぎりぎり良くなってきたかなあ、という状態でした。ただ、その桜花賞を負担のない競馬で勝てたので、NHKマイルCは調整も楽でしたし、自信がありました。

市丸:NHKマイルCは2番人気だったんですね。ペールギュントが1番人気で。

福永:今は男も女もなく人気になりますけれど、その当時は男馬のほうが強いという概念がありましたからね。

市丸:そしてオークスはシーザリオで制し、アメリカンオークスに遠征されました。


福永:オークスは強い競馬でしたけれど、着差もわずかであまり上手に乗れなかったので、アメリカンオークスはぶっちぎってやろうと思っていました。外枠だったのでスタートさえなんとかすれば自信がありましたし、相手関係も全部調べ、下見もして万全の態勢で行きましたから。

市丸:早めのスパートから、たいへん強い競馬でした。4馬身差でしたね。

福永:そのくらいの馬だと思っていましたし、スタートで良い位置を取れたので、その時点で勝ったと思いました。また、3コーナーから自分のペースで動いていったのですけれど、3コーナー過ぎでもうゴールまで2ハロンくらいしかないので、全然早いとは思いませんでしたね。ただ、結果的にあれが引退レースになってしまって、あそこまで走らせてしまったがゆえに、そうなってしまったのかなと、少し悔いが残るところです。