-第16回-
競馬予想家 亀谷敬正さん
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ダビスタ四天王からすべては始まった
市丸: テレビ番組で毎週会ってる仲だし、僕が亀谷さんと言うのも他人行儀なので、亀ちゃんと呼ばせてもらいますがいいですか?(笑)
亀谷: はい。ご自由に(笑)。
市丸: 何から聞けばいいんだろう。やっぱり、ダビスタの話かな。「ダビスタ四天王」(ダービースタリオンを極めたすごいテクニックを持った4人の男たちの略称。競馬雑誌で有名になった)って、高校生だったんだよね? ダビスタにはまったきっかけはどんなことでしょう。
亀谷: 作者の薗部博之さんは、ダビスタ作る前に「ベストプレープロ野球」を世に出してるんですけど、僕はあのゲームのファンだったんです。それで、あの作者の方が出す競馬ゲームなら絶対面白いはず、と思って。
市丸: その前から競馬は知ってたんですか?
亀谷: 僕は文京区で育ったんで、後楽園によく行ってたんですよ。現在の原監督が選手時代に、原さんの大ファンでした。で、すぐ隣にウインズがあって、馬が走ってるのをテレビでやってますよね。その頃から面白そうだなと興味を持っていましたし、競馬というものが普通に周囲にある環境でした。
市丸: 「ベストプレープロ野球」は僕も大好きで、後にガイド本を作らせてもらったりもしたんだけど、あのゲームが好きというのは、どんなところに惹かれたんでしょう?
亀谷: すべての選手のパラメータを自分で作ることができる、というのが最大のポイントでしたね。普通に考えられるデータだけじゃなくて、勝負強さ(信頼)なんかもあって、すごくよく考えられてると思いました。仲間何人かで「この選手のこのパラメータはもっと高い」とかなんとか協議して、ドラフトをやって各自チームを作る。それで対戦するんですけど、楽しかったですね。
市丸: で、ダビスタにもはまって…。
亀谷: はい。想像通り、すごく面白いゲームでした。これは流行るに違いないと思って、最強馬を作ったら雑誌にも載せてもらえるな、と作り出したんです。そしたらほぼ思い通りで、編集部に出入りできるようになって、高2でダビスタライターになることができました。
市丸: そのあたり、才能があるんだよねえ。
亀谷: いや、ただもう地道な作業だけですよ(笑)。
市丸: ライターになってから数年で競馬予想方面へ進むことになるわけですが、このあたりのきっかけは?
亀谷: ライターになってから、今井雅宏さん(「Mの法則」で有名な競馬予想家)や田端到さん(血統評論家)を紹介していただいた。これが大きかったですね。
市丸: 世間的には、亀ちゃんは今井さんの弟子ということになってるよね?
亀谷: ええ、そうですよ。弟子です。もともと、今井さんは自分の理論を発展させるために手伝ってくれる人を探してたんですよ。年下で競馬に先入観を持ってなくて、ゲームの相手ができて(笑)、血統が好きでデータ入力ができる人。たまたま僕はこれ全部当てはまってたので…。今井さんも田端さんもベスプレが好きな「パラメータおたく」で、ベスプレのパラメータのような考え方で競馬を見てました。僕も同じなので、すんなり入っていくことができました。
市丸: ただ、亀ちゃんの予想理論はあまり「Mの法則」とかぶっていないというか、独自なものがほとんどでしょ?
亀谷: いや、影響は大きいです。たとえば「チェンジオブペース」。これは、アンドリュー・ベイヤー(アメリカの有名な競馬評論家)の著書にあった『近走の位置取りによって指数を跳ね上げる馬がいる』という理論なんですけど、研究方法をアドバイスしてもらったりとか。
市丸: おお、それ「競馬予想TV!」の初期の頃によく出てたねえ。でも、ダビスタライターからすぐに予想の連載を持てるようになったの?
亀谷: いや、しばらくはダビスタのことだけでした。雑誌でも『ダビスタ四天王に予想なんかやらすな』と言われてたらしいんですが、担当編集者が上に掛け合ってくれて、なんとかできるようになったんです。当時の担当には今でも本当に感謝してます。