-第07回-
ノーザンファーム空港 調教主任 犬伏健太さん
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もっとも大切なのはオーナーに喜んでもらうこと
市丸: 今は「調教主任」をされているそうですが、朝から拝見していると、ほとんど調教師のようなお仕事ですね。
犬伏: そうですね。トレーナーだと思っています。
市丸: 主任としてはどのくらいになりますか?
犬伏: 主任としてはまだ3年くらいですね。私は概ね5〜6年くらいで「厩舎長」になって、そのつぎに調教主任になりました。
市丸: その厩舎長というのは、どういったお仕事なのでしょう?
犬伏: わたしが厩舎長だったころと今は状況が違う部分もありますが、基本的には厩舎長が自分の厩舎の馬の調教メニューを考えたり、健康面を管理したり、一日の仕事の流れを作ったりしています。
市丸: その上に調教主任がいて……、いくつかの厩舎をまとめて見られるのですか?
犬伏: わたしは都合で1厩舎になっていますが、基本的には2厩舎くらいを見ることになっています。
市丸: 1厩舎あたりどのくらいの頭数になりますか?
犬伏: わたしの厩舎では2棟で56頭です。これがノーザンファームで一番大きな厩舎ですね。建てた時期にもよって違うのですがノーザンファームの場合は、平均すると40頭くらいになると思います。
市丸: 一日の流れはどのような感じでしょうか。
犬伏: 朝5時くらいに職場に来て、スタッフから報告を受けたり打ち合わせをして、1鞍目を乗り始めるのが6時くらいです。それから調教、手入れと1鞍がだいたい1時間半くらいで、午前中に4鞍乗るとちょうど昼になりますね。
市丸: 調教というと朝のイメージが強いですけれど、午後のお仕事というのは?
犬伏: 日によって違いますね。昼休みが2時間ほどありまして、午後はお客様の対応をしたり、なにもない日は管理馬の状態をチェックしたり、その日その日に合わせた仕事になります。それから夕方、もう一度スタッフからの報告と打ち合わせがあって、厩舎は5時くらいに終わります。そのあとはデスクワークとか。
市丸: 「そのあと」もあるんですか!
犬伏: 7時くらいまでですかね。新人の練習とかもありますし、6時より前に帰ることはほとんどないです。夕方には必ず今後の予定を考えるので……。
市丸: 予定といっても短期的なものと、長期的なものがありますよね?
犬伏: 基本的に主任が長期的な部分を組んで、短期的なものは厩舎長に任せる形なのですが、都合で今は両方やっています。自分がやりたい、というのもありますが(笑)。
市丸: 管理する調教師さんによっても、いろいろな方がいらっしゃいますよね。ここまで作ればあとはこっち(トレセン)でやるとか、使えるくらいまで仕上げて欲しいとか。
犬伏: ケースバイケースですね。どこまで要求されているのか、こちらでどこまでやりたいのか、それを調整するのがわたしの仕事です。
市丸: やはり調教師の先生の意向が一番になるのでしょうか。
犬伏: それもありますが、一番重要視するのはオーナーの意向ですね。わたしたちは財産をお預かりして、お金をいただいてやっているわけですから。
市丸: ただ、オーナーといっても、馬のことを良くご存じな方ばかりではないですよね?
犬伏: 熟知されている方もいらっしゃいますが、皆さんがそうというわけではないですから、必要とあらば進言もします。「この馬は体質が弱くて、今すぐ調教のレベルを上げると故障してしまいます。待ってあげれば、我慢してあげれば必ず走りますから」とか。