-第01回-
競馬キャスター 小島友実さん
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競馬の魅力は、馬の走る姿、感動、そして「現実的な喜び」
市丸: そのころ、馬券でビギナーズラックのようなものはありましたか? なにかすごいのが当たったとか、印象に残っているレースとか。
小島: 私が一番はじめに大きい馬券をとったのは、平成8年、フサイチコンコルドが勝ったダービーでした。ダンスインザダークで武(豊)騎手が初めてダービーを勝てるか、と言われていた年ですけれど、先頭に立ったところを外から、もう「音もなく」フサイチコンコルドが抜き去った瞬間は鳥肌が立ちました。
市丸: 「すごいもの」を見たときって、くるものがありますよね。
小島: 私はダンスインザダークから流して買っていたのですけれど、その感動と「払い戻し」という現実的な喜びがセットになってやってきて、「競馬ってすごい!」って。ディズニーランドとか映画とか、どこかチョット遊びに行っても5000円や1万円とかかかって、それで「感動」というものは帰ってきても、残念ながらお金は減る一方ですよね。でも競馬は、パドックで馬を見て「かわいいな」と思ったり、レースを見てわくわくしたりして。それで感動するにも関わらず、馬券が当たればお金まで増える可能性があるレジャーってすごいな、そうそうほかにはないな、って。
市丸: やっぱり「馬」が走るというのも大きいですか?
小島: 私、動物好きで猫と犬を飼っているのですけれど、その動物が走っている、というのも大好きになった原因のひとつですね。パドックや返し馬などで馬のクセを見つけられる瞬間というのがあって……。
市丸: 歩き方に特徴があったり、いつも同じところで同じしぐさをしたり……。
小島: グラスワンダーがものすごく好きだったんですよね。その返し馬に入る瞬間が。馬場に入ってもやる気のない感じでラチ沿いを歩いているのに、レースに行くと着差は少なくてもきっちり交わすメリハリとか、競馬だからこそ味わえる感動や発見がありますよね。
市丸: 「競馬ならでは」って、ほかにも多いですよね。
小島: そうですね。多くの人が関わっていますよね。スタート地点は生産牧場で、それから馬を買うオーナーと、預かって馬を育てる調教師や厩務員さんがいて、そしてファンがいる。いろいろな要素でファンになれますよね。「牧場で」「騎手で」、あと「馬がかわいい」とか、もちろんギャンブルの要素でとか。切り口がすごくたくさんあるのが面白いですね。
市丸: お仕事のほうに話は戻りますが、そうするとオーディションから半年くらいではもう、競馬の魅力にどっぷりと……。
小島: もう競馬の「け」の字も知らなかったのに、たまたまオーディションを通って、それでものすごく大好きになりましたね。今は土日の中央競馬はもちろん、地方競馬、交流重賞も浦和とか川崎とか時間の許すかぎり。
市丸: もう今年も地方競馬には……。
小島: 1月2日の川崎から出撃しました!(笑) 競馬と出会っていなかったら「今なにやってるんだろう」と思います。月曜日には週刊誌を買って、電車の中でスポーツ紙も普通に読みますし。東スポも読めるようになりました(笑)。
市丸: どっぷりですね(笑)。それで、キャスターのほかに、原稿を書かれる仕事などもされていますが……。
小島: 週刊競馬ブックのコラムは、今年で4年目になります。競馬のお仕事を始めた当初から、競馬ブックで書くというのが夢だったんですよ。最初はラジオたんぱのコラムの一員として書いていたのですけれど、「独立してコーナーを持ちませんか?」と言われたときには嬉しかったですね。「それ行け! 現場」というコーナーで、月に2〜3本書かせていただいています。