私の競馬はチョット新しい

-第01回-
競馬キャスター 小島友実さん


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諸先輩の教えが財産に

市丸: そうすると、競馬の経験がまったくない中でいきなりお仕事ということですよね。最初はかなり大変だったのではないですか?

小島: たんぱの白川(次郎)アナや佐藤(泉)アナ、そして解説の原良馬さんや、ご存命だった大川慶次郎さんと、もうそうそうたるメンバーの中でしたが、皆さん優しく競馬を教えてくださいましたね。競馬新聞の読み方から、オッズの見方。前の日に予想をして、当日はパドックから返し馬、そしてレースを見てという繰り返しになることとか。あとは、土日だけじゃなく、まず月曜日に競馬週刊誌を買って、その後に追い切りがあって……、競馬の基本的な流れを皆さんが教えてくれました。


市丸: そんな中で、特に印象に残っていることはありますか?

小島: とにかく最初に言われたのは「馬券を買いなさい」ということです。当たった喜びを感じてみないとわからない、と。それで、その通りにしていたら、もう半年もたたないうちにどんどん競馬が好きになっていました。

市丸: アシスタントのお仕事は、最初どのようなことから始められたのですか?

小島: 最初はオッズ読みですね。馬連の100倍以下をひたすら読む、というお仕事でしたので、競馬を全然知らなくてもできたのです。その後、先輩のアシスタントの女性が産休に入るということで、進行役、レースとレースの合間をつなぐ司会役ですね、これを担当することになりました。

市丸: それは、もう始められたその年にですか?

小島: 夏のローカルでした。まだ半年しかたっていないのに。最初は先輩のテープを録音して、それを全部「起こし」て……。

市丸: 先輩がしゃべられたのを全部紙に書いていった、ということですか?

小島: そうです。台本がないので聞いて覚えなくてはいけないのですけれど、簡単には覚えられないので、言っていることを一字一句紙に起こして、原稿フォーマットを作り直しました。

市丸: 「次はパドックです」とか、番組全体を進めていくような?

小島: 「皆さんおはようございます。こちら中山競馬場です。開催初日を迎えました。天候は晴れ、馬場状態は……」というところから始まって。パドックから(マイクが)戻ってくると、「では1レースの見どころを……、原さんはこのレースをどのようにご覧になっていますか」とか。あとは終わって払い戻しと成績を読み上げたり、土曜の午前中に5レースくらい繰り返すんです。

市丸: そのころ、競馬場へ行っているときなどは、よく小島さんの声を聞いていたような記憶がありますね(笑)。

小島: そうですか!(笑) 私は、このころに本当の競馬の楽しみを知った、と言えるかもしれません。あと、競馬に関する知識や、放送に関する基本的なことを、ホントにラジオたんぱさんにすべて教えていただきましたね。これが自分の土台のすべてだと思っています。

市丸: そうしていろいろなことを知っていくと、ますます競馬にどっぷりと……(笑)。

小島: 競馬ってたとえば「ハナを切る」とか「ソラを使う」とか専門用語が多いですけれど、そういうのも放送をやって勉強しているうちに実感してきたり。あと、中継では私の隣に大川さんがいらっしゃったので、メモをつけられているのを横で見ていたり、「こういうところを見たほうがいいよ」とかちょくちょく教えてくださいましたね。馬の毛づやとか、展開、それと前半3ハロンと、上がりのこととか、あとは枠順とか。今となっては財産です。

市丸: 私も大川さんとは2〜3回ご一緒させていただいたことがあるのですが、独特の雰囲気がある方でしたよね。気さくに声をかけていただけるのですけれど。

小島: 最初、私の名前を聞いて「小島太の娘かな?」。「違います」みたいな(笑)。