-第55回-
漫画家甲斐谷忍さん
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平日はターゲットで必勝法を検索
市丸: クラブ馬主で出資されたりはしていないのですか?
甲斐谷: ある担当さんが活躍馬を何頭も持っていてとても超えられないくらいなんです。もし一口持ってどれだけ走ったとしても「ぼくの○○のときも」と言われたらシュンとなってしまうと思うので(笑)。
市丸: いずれは馬主に、などということは……。
甲斐谷: いやいやいや(笑)。でも、お金持ちの漫画家の方には馬主になって欲しいです。以前アシスタントをしていた尾田栄一郎さんの「ONE PIECE」は(競馬中継のある)フジでアニメをやっていますし、馬主になってくれないかなあ、と。ときどき「ONE PIECE」からもじった馬名の馬も走っているんですよ。もし作者が馬主になって、自分のキャラクターの名前をつけたら楽しいだろうと思いますね。でも、自分では考えていません。現状で十分楽しいんですよ。
市丸: 作品の中で「馬券凡人」は一口馬主など馬券以外に楽しみを見いだす、という話もありました。
甲斐谷: その方も馬券では勝てなくて、「一口で儲かっている人はいても、馬券で儲かっている人はいない」と言うんです。ぼくは儲かる人もいると信じていて、馬券攻略本も結構買うんですけれどね。
市丸: その予想法にも繋がる話になりますが、JRA-VANについてうかがいたいと思います。
甲斐谷: ターゲットはソフトが有料だったときから利用させていただいています。
市丸: 今はデータだけが有料でソフトは無料ですけれど、昔はターゲット自体も有料でしたね。
甲斐谷: すごく優秀なソフトですよね。
市丸: ふだんはどのように活用されていますか?
甲斐谷: 競馬のある日は、レースを見ながら気づいた点をメモ機能で記録しています。後でその馬が出走したときに過去にこんなメモを書いていますよ、と見られるのがいいですね。
市丸: 作品の中ではデータも扱われていますね。逃げる馬を買えば回収率は高くなるけれど、前走も逃げていた馬ではダメだとか。
甲斐谷: ターゲットを使って必勝法探しをするのが大好きなんです。平日に時間があるときはデータをあらって必勝法を検索しています。逃げについては、調教と組み合わせて考えたこともありました。
市丸: 具体的には?
甲斐谷: 逃げるとわかっている馬を買っても本当に儲からないんですね。「なんで逃げたの?」という馬が事前にわかればいいのですが、それは調教を見ればわかるのではないかと。逃げ馬の調教と、差し馬の調教って違うことがありますよね。テンから飛ばして、バテてもいいので最後までしっかり追った馬は今回は逃がすのかな、と考えたりしていました。もっと極めればわかるのではないと思いましたが、今のところは仮説で終わっています。
市丸: そのあたりは難しいですよね。それでは最後に、今後の「ウイナーズサークルへようこそ」はどんな展開になるのか、お話しできる範囲内で教えていただけますか?
甲斐谷: みんなが予想大会に参加して、これから「必殺技」といえるような馬券術に進んでいく形を考えています。
市丸: 「必殺技」ですか。
甲斐谷: 市丸さんが出演されている「競馬予想TV!」もみなさん独自の予想法で議論されていますし、あの必殺技とこの必殺技、どっちが強いんだろう、ってバトル感がありますよね。それをマンガでやれたらいいな、と、あの番組はたいへん参考になっています。
市丸: ありがとうございます。そういった必殺技を武器に馬神トーナメントを戦っていくのですね。
甲斐谷: 今回の大会は、過去のチャンピオンも出場できて、あらかじめ強いとわかっている人たちが出てくるんです。そのために、予想法をそのキャラクターの数だけ用意しなければいけない、そして、ちょっと笑えなければいけない。
市丸: 難しいですねえ。
甲斐谷: でも、説得力はそこそこでいいんですよ(笑)。
市丸: 隙がないといけないんですね(笑)。今後の展開を楽しみにしております。本日はありがとうございました。