私の競馬はチョット新しい

-第37回-
ノーザンファームしがらき場長松本康宏さん


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獣医師を目指して大学を再受験

市丸:それでは、よろしくお願いします。まず、ノーザンファームに入るまでについてうかがいたいのですが、ご出身はどちらになりますか?

松本:大阪です。それから北海道大学に進みました。

市丸:北海道大学を選ばれたのは、既に高校のころから競馬に興味があって……ということでしょうか?

松本:そうですね。競馬場にもたまに見に行ったりしていたのですが、競走を中止して安楽死になってしまう場面を何度か目撃したんです。それで、なんとか治してあげられないものかという思いがあって、獣医師を目指すようになりました。

市丸:最初から馬の獣医を目指されていたわけですね。

松本:ただ、当時の北海道大学は成績によって「移行点」が出て、2年の秋にその上位から好きな学部を選べる形だったんです。それで実は、成績が至らなくて獣医学部には行けなかったんですよ。

市丸:獣医学部はそんなに人気があったのですか?

松本:当時「動物のお医者さん」(佐々木倫子、白泉社)がはやっていて、これが北海道大学の獣医学部をモチーフにしたマンガだったんです。特に女の子には人気が高くて……。ただ、どうしても獣医師としてやりたいという思いが強く、親にもわがままを言って一度大学を辞めて、もう一度大学に入り直しました。

市丸:受験し直されたのですか!

松本:獣医師を目指して大学に入ったので、獣医学部に入れなかったら意味がないというか。非常にありがたいというか、親に申し訳なかったのですが、再受験という道を選ばせてもらいました。今考えると、無茶なことをしていましたね。



市丸:アルバイトとか……、牧場でもされましたか?

松本:牧場ではなかったですね。社会勉強をしたくて、バーの面接を受けたら受かりまして、「北大生がすすきので夜に働くとか珍しいな」などと言われながら働いていました。先輩にはいろいろ教えてもらいましたし、勉強をしなければならないときも理解していただいて、非常におもしろかったですね。

市丸:獣医学部でも、小さい動物から大きい動物までいろいろあると思いますが、「これをやりたい」というものを選べるのでしょうか?

松本:いえ、大学での教育というと、犬猫だったり、あとは研究が多かったりするもので、あまり馬にさわれる機会はなかったです。「北大農場」では馬の生産もしていましたから、ほかの大学よりは馬に触れる機会が多かったかもしれませんし、外科学講座に所属していましたので、札幌競馬場の乗馬や馬術部の馬が病気をしたときに、外科の先生が呼ばれるのについていったりはしていましたが、微々たるものですね。

市丸:大学を卒業するときに獣医師の免状は取れるのでしょうか。

松本:6年生の年が明けてから国家試験があって、それから就職になります。

市丸:そうすると、就職試験のほうが先にあって、それから獣医師の試験があるわけですね。

松本:そうなりますね。