私の競馬はチョット新しい

-第31回-
株式会社シェンロン代表取締役 小林仁幸さん


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セリまでに11回見たネオヴァンドームがきさらぎ賞を制覇

市丸:きさらぎ賞を勝ったネオヴァンドームは07年のセレクトセールで買われています。05年のネオファロスの後はどのような……。

小林:06年は「カタログ販売」ではなかったですけれど、たまたまネオファロスの妹がいて「妹なら買ってもいいかな」と。ただ、1日しか時間が取れなくて、セリはまた大家さんにお願いしました。

市丸:その翌年、07年はネオヴァンドームも含めて多く買われていますね。

小林:いろいろな調教師の先生に話を聞きたいと思って、数を増やして全部違う先生に預けました。


セレクトセール会場でのご夫妻

市丸:ネオヴァンドームについて覚えていらっしゃることは……。

小林:この年は「このままじゃダメだな」と思い、生まれてからセリまで何度も馬を見るようにして、ネオヴァンドームは11回見ているんです。セリに出るかどうかもわわからないくらいから見せていただいて、最初の150頭くらいから11頭まで絞り込んで、その中の1頭がヴァンドームでした。

市丸:11頭の中でもネオヴァンドームには特に注目されていた馬だったのでしょうか?

小林:いえ、最初はネオファロス、ネオランジュの下で、母ホッカイセレスにアグネスタキオン(ネオスプレマシー)という馬に注目していました。この年はアグネスタキオン産駒が高くなりそうで(ダイワスカーレットが桜花賞制覇)、1億くらい行くのかな、と思っていたんです。ただ、タキオンの子供を全部競っているうちに、だいたい(競る)相手の癖がわかってきて、(ネオスプレマシーが)思ったより安く落ちたんですね。それでヴァンドームの予算が出ました。

市丸:ネオヴァンドームは未勝利勝ちの直後にきさらぎ賞(10年)を勝ちましたが、これは現地で見られていましたか?

小林:全部行ってます。去年は113戦かな? 地方競馬にも行ってますから。

市丸:地方競馬も行かれているんですか! ツイッターを拝見していて、ずいぶん(競馬場に)行かれる方だなあ、とは思っていたのですが。

小林:全部行ってます。たくさんタキオンを競ったとき、最初に落とした馬(ネオアレキサンダー)がレース後に予後不良になってしまったのですが、そういうときに家族の誰かが見ていないと……。なにが起こるかわかりませんし、違う競馬場で出走するときは、家族みんな別々のところに行ってみています。関東チーム、関西チームと分かれて。

市丸:奥さんと別々のところに行かれたり?

小林:妻もそうですし、妻のお母さんとか、息子とか、妹とかも。北海道と小倉がはじまるとたいへんなんですよ(笑)。

市丸:1勝1勝に重みがあるのはもちろんですが、そんな中でも重賞を勝つというのは……。

小林:舞い上がりますよね。最初はつばき賞を予定していたんですが、熱発で回避してきさらぎ賞にまわることになったのです。ただ、そのきさらぎ賞のちょうど1年前にあたる2月14日、アレキサンダーが予後不良になったレースがあったので、「なんで2月14日に重なるのかな」と思ったり、「なにもなければいいよね」と話したりしていました。そうしたら、すごいことが起こって、その日は京都駅のホテルのバーでシャンパンを何本も開けて……、勝つと疲れないんですよ。負けると疲れるんです、月曜日は本当に疲れますよね(笑)。

市丸:ネオヴァンドームは5月に都大路Sを勝って、金鯱賞のあとは間隔が開いていますが……。

小林:わたしが函館出身なので、「故郷に錦」じゃないですけれど、先生も気を遣ってくださって函館記念を予定しています。ただ、この前挫跖をしてしまったので、短期で治れば予定通りですが、今のところはまだわからないですね(その後回避)。

※挫跖… 走行中に後肢の蹄の先端を前肢の蹄底にぶつけた時、あるいは石などの硬いものを踏んだ時などに、蹄底におきる炎症(内出血)をいう。肢勢の悪い馬、蹄底の浅い馬、時として踏み込みの良い馬に発症しやすい。一般に前蹄に多く発症し、蹄に熱をもち、重度の跛行を呈することもある。